2025年6月28日(土)に、病気や障がいを抱える患者と家族(友人・支援者)が交わる、エニワンプロジェクト第3回【SHARE】がオンラインで開催されました。
今回は、患者当事者が4名、患者のご家族が2名に加え、患者やご家族を支える支援者の方が3名参加され、これまでにない視点からの意見に、1人1人が多くの気付きを得た時間となりました。
患者・家族・支援者が、対等な目線で話し合えるのはエニワンプロジェクトならではの交流です。
- 病人だから弱い立場として話さなきゃ…。
- 家族は、病気を抱える本人の方が大変なんだから気丈に振る舞わないと!
- 支援者として、上の立場から患者さんやご家族を支えてやっている。
ということは絶対にありません。私たちは、お互いが同じ目線に立って話すことこそが、偏見のない社会を築く基本だと考えています。
まだエニワンプロジェクトの交流会に参加したことがない方は、この開催レポートが参加するきっかけになれば幸いです。
今回のトークテーマは、こちら⇓
当事者の方
・家族や友人、支援者に「こういう先入観(思い込み)を持たれているんだろうな」と思うこと
ご家族・ご友人・支援者の方
・当事者が「こういう先入観(思い込み)を抱えているのでは?」と思うこと
4月開催の患者だけの交流会【COMMU】と、5月開催の家族・支援者だけの交流会【SUPPO】では、共通して『偏見』をテーマに実施してきました。
そして今回の【SHARE】では、お互いに考えていることが「本当にそうなのか」「思い込み過ぎだったのか」をすり合わせていく時間として交流を深めました。

交流会の開催レポート公開が遅れたことにより、ご参加いただいた皆様の声をお届けするのが遅くなってしまったこと、大変申し訳ございませんでした。
遅くなってしまった理由としては、私自身も難病と共に生きており、6月から暑さによる不調が続き、さらに7月後半にちょっと無理をしたら数日熱が出てしまい、回復に時間がかかってしまいました。また、私は年長の子供を育てる母でもあり、夏休みの「一緒に遊ぼう」攻撃に時間が取られたことも大きな理由です。子供の相手をして、3食作っているだけで一日が終わります。。
同じように、「やりたいこと・やらなくちゃいけないことを前にしながらも頑張れない、自分だけではどうしようもない」という状況に悩まれている方も多いと思います。
私たちの活動を通して、共感したり、相手のことを考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。これも私という1人の「人」のストーリーです。
あなたも参加者の声に耳を傾け、自分の立場に置き換えながら「思い込み(先入観)なくすにはどうしたら良いか」を一緒に考えてみましょう。
◆記事を読んで、あなたの声を聞かせてください!
開催レポートを読んで、あなたが感じたことを教えてください。
「こんな偏見を感じた」「この言葉に救われた」「こうすればもっと伝わるかも」など、どんな意見も大歓迎です。エニワンプロジェクトメンバーへの応援メッセージでもOK!
あなたの声が、同じように悩む誰かの支えになります。
ぜひアンケートにご協力ください!
回答してくれた方の声は、後日まとめて【LINE・メール登録者限定】で共有予定です。
声を届けて、未来を変えよう
参加した患者・ご家族が抱える疾患と支援者の立場
- 18トリソミーウエスト症候群二分脊椎
- てんかん
- 直腸がん
- 多発性硬化症
- 潰瘍性大腸炎
- がん患者会代表
- 難病看護師

様々な疾患と立場の方にご参加いただき、エニワンプロジェクトのメンバー3人も、学び多い時間になりました!今後も医療従事者の方、支援団体の方、製薬企業の方などにも、参加を検討していただけると嬉しいです!
患者当事者が抱く思い込み(先入観)
患者当事者が思う【家族や友人、支援者に、こういう先入観(思い込み)を持たれているんだろうなと思うこと】について伺いました。それぞれの立場からの意見と合わせてご紹介します。
家族への思い込み

私は、家族に対しての思い込みが強くなりがちです。
料理担当は自分の仕事だけど、歩行障害があるから「作った料理を運んでもらいたいな…」と思いつつ、妻と娘に負担をかけさせたくないと気を使ってしまい、自分で運ぶようにしていました。
けれどある日、エビチリを運んでたら転んで天井まで飛ばしてしまい、そのとき妻に「これからは必ず言ってね」と言われてから、お願いできることは言うようにしています。
同じ患者当事者の意見

私も同じく、家族だからこそお願いしたくてもできない部分があるなと感じてます。
患者家族の意見

家族として、あえて気を使わないように心がけてますが、内心では「声をかけてほしいな」と思ってます。やっぱり言わないと伝わらない!それはお互いに。

母は病気になってから、やりたいことを諦めたり、行動をセーブしてしまっていたので「言ってよ」と伝えてます。
でも、母は自分でもできるか分からなかったんだと思う。だから「一緒にやってみよう!」と声をかけて、とにかく【一緒にやる】というプロセスが大事だと思ってます。
支援者の意見

普通の夫婦のコミュニケーションと一緒だなと感じました。
実際、自分も大変だなと思うことがあります。誰でも直接言えないこともあるから、LINEやSNSを使って伝えてみても良いのかもしれませんね。
家族間での、何でも言い合える環境作りが大切かと思いますが、何でも言えるからこそ傷ついてしまったという声も聞かれました。

歩行障害と視覚障害があるけど、自分では普通に暮らしてるし、元気だし、いろんな場所に行きたいと思っています。でも自分ではできると思ってることを、家族にはできないと言われることも多いです。
信じて欲しいのに「歩けないでしょ」と決めつけられたり、リハビリをして歩けるようになるんじゃないかと思って頑張っているけど、家族は「無理する時間があるなら他のことしなよ」と言う。心配の裏返しなのは分かるけど、自分の気持ちとのギャップを感じます…。
お互いに自分の気持を伝え合うことも大切ですが、「信じる」ことも同じくらい大切なことだと感じました。

私も、体がしんどいとき、夫に家事をお願いしますが、自分とやり方と違うと、つい口を出したくなります(笑)ですが、そこは夫を信じて休み、最後に「ありがとう、工夫してやってくれたんだね」と頑張ったところを伝えると、自分自身も夫に対して信頼感が増す気がします。声掛け次第で、自分の意識も変わるかもしれませんね◎
ご家族が抱く思い込み(先入観)
続いては、患者のご家族が感じている、【当事者が、こういう先入観(思い込み)を抱えているのではないか?と思うこと】について伺いました。
障害者手帳に対する思い込み

夫は、病気なったときに精神福祉手帳を発行されてかなりショックを受けていました。手帳を持っていることで、周囲から「何を言ってもわからない人」と思われているのではないかと、変にとらえている気がします。
また、運転免許も返納することになり、好きな業種に就けなくなったと決めつけていたこともあります。私は、見方を変えればできるんじゃないかと思っていて、夫は自分に制限をかけているなと感じます。
当事者の娘の意見

母が難病と診断されて障害者手帳を持つことになったけど、最初は、持ちたくないと言っていました。手帳を持っていることで使える制度もあるし、福祉サービスも受けられるので、「持っていたほうが良い」と伝えても響かず…。
でも、市役所の窓口の方に「使えるものは使いなさい」と言われて価値観が変わったみたいです。障害者手帳というものをハードル高く考えていたみたい。
関係が近いと話を聞いてもらえなかったりするなと感じました。
患者当事者の意見

気持ちがわかる。障害者手帳を持っているから、難病だから、「可哀想」「大変」と思われたり、言葉のイメージがある。

先日万博に行ったけど、障害者手帳を持っていると優先レーンに案内してもらえたよ。ヘルプマークでも!
私は内部障害者だから、手帳を持っていても見せなければ分からない。
支援者の意見

障害者手帳は、お守りだと思って良い!
「手帳を持つことは大事なことなんだよ」と理解できればそう思えると思う。
医療現場で、患者さんに色を付けることがあって、赤は重症患者だと思われがちだけど、必ずしもそうでない場合もある。イメージで思い込んじゃうことってあるなと感じます。
言葉のイメージに、感情を揺さぶられてしまうことは誰でもあることです。
ですが、何事も決めつけるのではなく、一度「調べてみる」「考えてみる」ということが大切ですね。

もしも、「難病」「障害」って調べたらエニワンプロジェクトのHPが出てきたとして、トップの写真の笑顔を見たらきっと印象が変わるはず!
理解が得られないな、マイナスな印象を持たれてるなと思ったときは、ぜひエニワンプロジェクトのHPやSNSを教えてあげてください◎
生活の中で感じる周囲の目
今回のSHAREでは、様々な立場の方が参加されたということもあり、共感だけでなく、新たな気付きや学びを多く得られた交流会になりました。
そして、自分とは別の立場の人に話を聞いてもらえたという点でも、参加者にとって大きな意義があったように感じます。
知ってほしいことや、それぞれの事情などを、かしこまらずフラットに話すことで、相手の意見をすんなり受け入れられた印象でした。
最後に、当事者が生活の中で周囲に対し感じている思い込み(先入観)を紹介します。
- 私の障がいを知る人の中には、「こんな体であちこち行くな」と言ってくる人もいて、自分の気持ちとのギャップに苦しむこともあります。
- オストメイトは、障害者用トイレが必須だけど、利用しようとすると「あんな元気なのに!?」と言われることがある。
- トイレは、体が安定せず座りたいので障害者用を使いたいと思ってるけど、周囲の目が気になったり、指摘されたりして使えなくなってしまった。
- 遠い距離を歩く時は杖を持って行くが、近い時は杖無しで出かけるときもある。そんなとき、障害者用トイレを使おうとするとジロジロ見られてしまう。ヘルプマークを付けていても関係ない。
- 大学時代、友人たちにサークルの飲み会に誘われたが出席できないと伝えると深刻そうな顔をされた。その後も、「無理できないね」「ここにいても大丈夫なの?」「治療は?」「病気で何が起きるの?」と興味本位の質問をされるようになった。
オストメイトとは
- 様々な病気や障害などが原因で、腹壁に造られた便や尿の排泄口のことを『人工肛門・人工膀胱』といいます。
- 人工肛門・人工膀胱のことを総称して『ストーマ』といいます。
- ストーマを持っている人のことを『オストメイト』と呼びます。
1人(〜数人)から受けたことで、全員がそう思っているのではないかと感じるようになってしまうことも多いのではないでしょうか。
周囲への理解を広げることも大切ですが、自分の考え方にも焦点を当てて、周囲に流されない生き方ができたら良いですね◎

人のことは気にしないという考え方が大切!健康な人でも被害的な人が多かったりするから。考え方しだいで、自分が楽しく過ごせると思う。
自分で思い込まないようにしよう♪
今回も、前向きで素敵な言葉を沢山いただきました!
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。ぜひまたご参加いただき、お話を聞かせてください◎
記事を読んで、あなたの声を聞かせてください!
あなたの声が、同じように悩む誰かの支えになります。ぜひご協力ください!
声を届けて、未来を変えよう
患者の立場から、家族の立場から、友人・支援者の立場から、様々な目線からご意見を伺えたら嬉しいです。

改めて言葉にすることで、心が軽くなることもあります。そして、貴重なご意見を私たちが世の中へ広げてまいります!
集まったご意見は、〈LINE友だち追加〉または〈メールアドレス登録〉をしていただいた『エニワンプロジェクト応援メンバー』の皆さま限定で、全て公開(不定期)いたします!(許可をいただいたご意見に限る)
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交流会へのご意見
開催後、参加者にご協力いただいたアンケートから、一部ご紹介させていただきます。

様々な立場の人の意見を聞くことができ、一つの状況を考えるにしても、立場ごとの視点を知ることができた。たくさんの方が思い思いに語られる楽しく安全が守られた空間でした。

どんな発言も受け入れてくれる雰囲気と一緒に考えていこうという姿勢。自分にとって、いつも新しい「気づき」がある

なかなか交流する事の無い方との交流が出来て学び深い時間でした。雰囲気がとても良い会でした。

エニワンっていいな、誰でもどんな立場でも参加していいよ、ってとても素敵だなぁと、参加してみて実感しました。それを前提に皆さんが参加しているので、他の人に対する思いやりが溢れている感じがしました。

参加前は、「つらい」「苦労」とかそのような話になってしまったら、自分もきついだろうなと少し懸念していました。けど、参加してみると、皆さん明るく話していてとても元気をもらえました!また色々な方がいらっしゃり、自分の思い込みにも気がつけ、明日からもっと暮らしやすくなると思います。ありがとうございました。
交流会のアフターレポート動画公開中
交流会の雰囲気を、ぜひ動画で感じてください。
誰かの言葉が、あなたの背中をそっと押してくれるかもしれません。
一人じゃない。そんな安心を届けたい。
\ぜひご覧ください/

※文字とモザイクが被ってしまっているのはご愛嬌! 編集も頑張っていくので、応援してください byこん
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病気じゃなく「人」を見る社会に!
難病・障がいの偏見をなくすボードゲーム開発プロジェクト

“きれいごと”を現実に──
当事者発、共感が動かす新しい社会への挑戦
「きれいごと」と思われるのは百も承知。
でも、それを理由に動かなければ、何も変わりません。
私たちは、きれいごとを現実にしていきます。
それが、エニワンプロジェクトの挑戦です。
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